2016.06.20

今更ながらの桜の話

今月から篠笛のお稽古に、ベトナムからの留学生が習いに来てくれることになりました。
東京の語学学校で日本語を勉強し、はれて、今年の9月から京都の大学に入学。
20代前半の若者、しかも、男の子に、お稽古の皆様に構われ倒してます(笑)。
今まで、私が一番年下だったので、若いコ大歓迎です(笑)!!
そして、私は彼に「いけこチ、チ」と呼ばれてるような・・・。
ベトナム語で「いけこ姉ちゃん」という意味の模様。

どうやら、桜の時期を見逃してしまったそうで。
ソメイヨシノは知っているけれど、京都は色々な桜があるよと教わったそうな。
そして、篠笛の音出しが済んだら、まず一番目の課題曲が「さくらさくら」なので、興味があるとのこと。
※因みに、「さくらさくら」の桜は山桜だそうです。

というわけで、ちょっと季節外れですが、今年の京都の桜を色々と。

まずは王道のソメイヨシノから。

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西陣、本隆寺

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賀茂川


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哲学の道、花筏~花の浮橋へ。


お次は山桜。
このお花はソメイヨシノと違って、お花と一緒に葉っぱも出ます。
時期はソメイヨシノより早めに咲きますよ。
私が好きな桜です。


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京都御苑(京都人は御所と呼びます)


枝垂れ桜(早咲き)
こちらも3月下旬には見ごろを迎えます。

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本満寺


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京都御苑、近衛邸跡糸桜


遅咲きの桜もご紹介。

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仁和寺の御室桜。
花が低い(鼻が低い)に掛けて、おたふく桜とも呼ばれてます。


今年は里桜をあまり追いかけられてなくて。
里桜の写真があまり無いですが、京都御苑の出水の小川や堀川通の桜並木、
大阪の造幣局の通り抜けなどが有名どころですよ~。
紹介した他にも京都にはいろんな種類の桜、花名所がございます。
来年の春は、ご家族を花の宴にご招待してみては??


参考

写真:20163月下旬~4月中旬 京都市内あれこれ

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2016.04.02

京都桜便り2016 その2 御所(京都御苑)の山桜たち

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春雨は いたくな降りそ 桜花 いまだ見なくに 散らまく惜しも
「万葉集」巻第十、1870番歌 詠み人知らず


今年のJRの「そうだ、京都いこう」は近衛邸跡の糸桜達。
昨日は、あいにくの花散らしの雨となりました。
散ってしまった~と思わずに、どうぞ、御所へお出かけ下さいな。
御所内では、順に桜暦が捲られて、いろんな種類の桜を4月下旬まで楽しむことが出来ますよ。


個人的には、山桜系のお花に心が惹かれます。
お花と同時に、葉っぱも出るので、散り果てた後の花蕊もそっと若葉で隠して、奥ゆかしいのです。

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花の色に あまぎる霞 たちまよひ 空さへにほふ 山桜かな
「新古今和歌集」 巻第二 春歌下 103番歌 藤原長家

おまけ

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御所には齢経た桜も多いです。
こちらの桜は、真ん中の大きな幹が一度倒れた後も、脇の木が花をけなげに咲かせています。
宣秋門の西側芝(白木蓮の大木の近く)にございますので、通りかかられましたら~。


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よくよく、木の根元を見ると・・・、こんなにぽっかりウロが。
もう、向こう側まで貫通して、見えちゃってますが、倒れず、毎年花を咲かせてくれます。
そして、毎年花の時期になると、必ず誰かがこのウロにそっと、近くに咲く藪椿の落花を運んでくるのです(笑)。

参考

写真:2016年3月29日、4月1日 京都御所(京都御苑)にて

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2016.04.01

京都桜便り2016 その1 御所(京都御苑)の近衛邸跡糸桜

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たとい、御衣(おんぞ)の重ねが軽やかなりしとも、


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桜唐糸、綾錦、纏うて舞い立つ春の王。


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襲の虹色、出衣(いだしぎぬ)は桜袖。

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頬染め色の花簪の、向こうにちらりと御所の門。


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花を愛で、花をくぐりて、参内致そう。


参考

写真:2016年3月22日 京都御所(京都御苑)近衛邸跡にて

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2016.03.29

御所の木蓮たち

桜の便りが全国で聞こえてきだしたこの頃。
やはり、桜の前には毎年この木蓮を楽しみにしています。
御所には、紫木蓮(中立売御門の近く)と白木蓮の大木(宣秋門の西側芝地)があります。
桜が春の女神木花開耶姫、椿が佐保姫とそれぞれに花の女神の化身でございますが、
木蓮にも早春の女神の化身であるやとも思います。

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九重ゆえに、紫衣纏いて品ある装い、五つ衣は紫の薄様(うすよう)。


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立居姿の清冽さ、玉蘭大木潔し。

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花芯に春の陽光をため、高潔なるは君のいでたち。


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御所の壁、見上げ花明り灯せば、澄み空清し。

参考

写真:2016年3月21日 京都御所(京都御苑)にて

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2016.03.20

京都桜便り2016 はじめに 京都御所近衛邸跡糸桜

『もののあはれは秋こそまされ』と人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、今一きは心も浮き立つものは、春のけしきにこそあんめれ。(中略)花もやうやうけしきだつほどこそあれ、折しも、雨・風うちつづきて、心あわたたしく散り過ぎぬ、青葉になりゆくまで、万に、ただ、心をのみぞ悩ます。

『徒然草』 19段


慌ただしくも、京都の桜の気配がして参りました。


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花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは
雨にむかひて月を戀ひ、たれこめて春のゆくへ知らぬも、なほあはれに情ふかし
咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころおほけれ」
『徒然草』 137段

先人がそういえども、満開を求めたいものが人の心でございます。

世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 
『古今和歌集』 巻第1 春歌上 53番歌 在原業平

“のどけき”春の心はなかなかに難しゅうございます。


今年も京都の桜暦をお届けしたく。


参考

写真:京都御所(京都御苑) 近衛邸跡にて

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2016.03.07

春先の京都府立植物園

やっとPCのディスプレイがなおりました~。
よかった・・。桜に間に合ったです。
ついでに、PC机も新調。ものすごく、快適です。
相方、有難う~!!

久しぶりに京都府立植物園へ。
そして、こちらも久しぶりデジイチさんにマクロレンズを装着して、散策です~。
(ちょっとソニーのコンデジも混じってますが)

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園内では、梅がまさに満開。
馥郁たる香りを漂わせていました。


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見上げる梅に、足元にはたくさんの早春の花々が春を寿いで。


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クロッカスって、大地から春を吸い上げてぺかーって咲いてるように見えません??


植物生態園では、春告げの花々が。


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福寿草。丁度、春の日差しがスポットライトのように。


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3月頭にちょっと冷え込んだので、有難いことに節分草がたくさん残っておりました。
上と下の写真で、日蔭と日向の花群れなのですが、表情が違いますよね!
こういった違いも見られるのが、植物園の楽しい処です。


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おいちゃんカメラマンに大人気だった、オオミスミソウ(雪割草)。
いろんな色がありました~。ちょっと私は白いコだけを。


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バイカオウレンは群生していて、見ごたえがありました。

柵の奥には、ユキワリイチゲも咲いてましたよ。
(ちょっとマクロレンズでは届かず)


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大芝生広場に会場が移った、「早春の草花展」は3/21まで!

皆さま、春のお花に会いに、植物園へ!桜はもう一声!


参考

写真:2016年3月5日 京都府立植物園にて

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2015.05.15

葵祭2015、賀茂街道にて

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本日は、京都の三大祭のトップ飾る葵祭。
雨が心配されていましたが、無事に行列を終えることができたようです。
現在は、勅使代より斎王代が注目されますが、元々は宮中の行事です。
古典籍で、「祭り」とあれば、それは葵祭を指します。


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行列は、午前中に御所を出発し、下鴨・上賀茂両神社へと参ります。
乗尻(のりじり)を先頭に、
警護列:素襖(すおう)・看督長(かどのおさ)・検非違使志(けびいしのさかん)・検非違使尉(けびいしのじょう)
内蔵寮官列:山城使(やましろづかい)・衛士・内蔵寮史生(くらりょうのししょう)
馬寮官列:馬寮使(めりょうづかい)
風流傘を挟み
斎王代女人列:蔵人所陪従(くろうどどころのべいじゅう)・命婦・女嬬・童女・斎王代・騎女・内侍・女別当・采女(うねめ)
勅使舞人陪従列:前導・勅使・舞人・陪従・内蔵使と続きます。
列後方に、桜・橘・藤や葵桂にて飾られた牛車も追従します。

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私が行列を眺めるのは、賀茂街道が多いです。
賀茂街道は、この時期、欅などの新緑のトンネルをくぐりながらの行列の運びがゆかしく、
また、道幅も狭いので、行列が間近に見られますし、賀茂川も近いので、一息入れることも出来ますので。
写真は、行列の先頭を行く「賀茂競馬(くらべうま)」を奉納した乗尻(のりじり)。

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この乗尻の役の方、お馬さんがちょっと興奮してたのを、巧みに操っておとなしくさせておられれ、すごかったです。


まずは、このお祭りに欠かせない植物、フタバアオイをご紹介します。

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フタバアオイはウマノスズクサ科フタバアオイ属の多年草で、
茎が二股に分かれ葉を付けることから、この名が付きました。


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この時期、フタバアオイには花が咲きます。
俯きがち、しかも葉っぱの下に咲くお花は、地面すれすれまでにしゃがみ込まないと見えません。

フタバアオイは別名をカモアオイとも呼ばれます。
上賀茂・下鴨神社の神紋になっています。
あの有名な徳川家の三つ葉葵紋は、この神社の神紋に由来します。


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フタバアオイと共に、行列の貴人の挿頭(かざし)となるのは、桂の木です。
カツラ科カツラ属の落葉高木です。
葵は女性を、桂は男性を象徴していると言われています。

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今年の斎王代は、なんと、CAさんだとか!
路頭の儀の間は、斎王代は腰輿(およよ)に乗られます。
五衣裳唐衣(いつつぎぬからぎぬ)、つまり、十二単衣の上に小忌衣(おみごろも)を着せかけ、檜扇(ひおうぎ)を手に、髪は垂髪(おすべからし)、頂に心葉(こころば)を言われる金属と玉の飾りを付け、額の両側に日蔭糸(ひかげのいと)を垂れています。

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毎年注目してしまうのが采女(うねめ)。
采女とは、元々は天皇皇后の側仕え(主に食事の奉仕)の女官でした。
地方豪族の娘が人質として献上されたのが始まりで、そこから巫女へと派生したと言われます。
行列では、斎院の神事を司る女官で、絵衣(えぎぬ)の上に青海波の文様の唐衣、その上に、千早(ちはや)という薄絹を纏い、切袴とよばれる短い袴を履きます。
斎王代と同様に、頂に心葉(こころば)を言われる金属と玉の飾りを付け、額の両側に日蔭糸(ひかげのいと)を垂れます。
心葉と日蔭糸を装束に持つ者は、神様に奉仕する役割です。


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小袿(こうちぎ)姿に打袴の騎女(むまのりおんな)も、とても凛々しいですね。

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現在は、葵祭は斎王代女人列が注目されますが、本来はこちらの勅使列がメインです。
勅使は四位近衛中将が勤め、黒色の太刀はきの衣冠束帯姿。
上賀茂神社境内では、馬を降り、練歩(れんぽ)というゆったりとした歩き方で進みます。
後ろに、東游(あずまあそび)を舞う武官を従え、「河霧」の銘を持つ和琴を陪従がつま弾きつつ従います。

『源氏物語』では、この勅使を光源氏が勤め、第9帖「葵」にて“車争い”が起こります。
現在もちゃーんと、宮内庁掌典職より天皇さんのお遣いが遣わされます。
しかし、職員の皆様、大抵はいいお歳の方、光源氏の様な見目麗しい殿方とは参りませんねぇ(笑)。

上賀茂神社では、行列は皆、馬や乗り物を下り、徒にて参拝です。
本殿にては、御幣物・祭文奏上、祝詞や東游が奏された後、
上賀茂神社走馬(そうま)の儀が執り行われます。


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2015.05.01

新緑礼賛

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「卯月ばかりの若楓、すべてよろづの花紅葉にもまさりて、めでたきものなり」

(『徒然草』139段)


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こちらのお寺さんは普段は非公開ですが、新緑の時期と紅葉の時期にだけ、拝観ができます。
今年の公開は、5月10日まで(法要などで拝観中止もありますので、要確認)。


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まるでお庭の緑を溶かしたかの如く、お庭を眺めながら、お抹茶とお菓子が頂けます。

おまけ

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30日は、GWのはしりの平日。
訪れる人も少なかったお蔭で、静か~にしていると手水にメジロが水浴びに来ていました!!
入浴中のメジロさんを盗撮です(笑)。


参考

写真:2015年4月30日 妙心寺大法院

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2015.04.08

京都桜便り2015 その1 平野神社魁桜の昼と夜

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いよよ春、吾一番と咲く桜。

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二期咲きの眷属引き連れ、春到来。


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桜の宮へ、いざゆかん。

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桜あんどん目印に、誘われ向かう宵の道。


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夜の帳、薄墨刷くも花明り、虹色滲む。


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闇降りるとも、花のかんばせ艶やかなり。

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散り急くな、雨宵、代わりに灯る神紋ひとひら浮かぶ。


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弦月上る、夜光に濡るる花垂水。


参考

写真:2015年3月24日 平野神社

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2015.04.01

京都御所(京都御苑)の白木蓮・紫木蓮・桃林2015

京都御所とうっかり観光の方に伝えて、混乱させてしまった京都駅(仕事帰り)。
失礼しました。
京都に住まいする者にとって、京都御苑は御所なんでございます。

閑話休題。

近衛邸跡やら、御所の至る所で桜暦がめくられる先達として、毎年春告げの楽しみにしている花たちがございます。

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まずは、名残の梅林から漂ってくる薫風を頂きながら、桃林が見ごろを迎えます。


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春にては、九重に桃源郷も現るる。

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中立売御門の近くには、紫木蓮が。
ただ、年々この木の花の数が少なく、色が薄くなってきていて、ちょっと心配しています。
因みに、2009年はこんな感じでした。

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九重ゆえに、紫衣纏いて品ある装い、五つ衣は紫の薄様(うすよう)。


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そして、待望の白木蓮の大木。

御所の宣秋門の西側芝地(中立売駐車場東側)にいます。


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一斉に空へと向かわん、玉蘭大木潔し。

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咲き初めの、まるで空への燈明のような姿も。

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開いて、花芯に春の陽光をためる姿も麗しいです。


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清冽な薫にて洗われん、高潔なるは君のいでたち。


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たなごころに、灯る春の花明り。


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この日は相方のお出かけのお供に。
羽織は相方の亡きY叔母より譲り受け、仕立て直した絵羽織です。

参考

写真:2015年3月26日・28日 京都御所

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