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2018.10.03

東山魁夷展

東山魁夷展
ご無沙汰致しております。
最近、少し涼しくなってきましたね。
皆様、おかわりございませんか?
金木犀の香りを、保育園の行き帰りで楽しむ毎日です。


さて、行ってきました!
京都国立近代美術館の東山魁夷展!
東山魁夷、生誕110年を記念して、京都では30年ぶりの回顧展です。

いや~、圧巻の展示です。眼福眼福でございます。

今回の展示で、東山魁夷の「明」を強く感じました。
金箔、真珠、水晶などにて描かれる、嫋々とした光。
私の好きな「月篁」など特に、姿なくともあくまでも静謐に満るような様が印象的でした。

そして、何より今回の展示のメインテーマ、「あお」。
奈良の唐招提寺が平成の大改修中の今だからこその、襖全ての展示です。

鑑真和上の故郷を思わせる「揚州薫風」
蒼紫見を帯びた墨にて描かれる、たおやかな柳の繊細さ。
「山雲」の深山幽谷の佇まい。
天袋よりそっと飛び立つ緑蔭の鳥は、ホトトギス。
ホトトギスは不如帰、故国に帰れぬ和上のへの思いか、目の見えぬ和上へ日本の景色を届けんが為、この世とあの世を行き来する鳥に気持ちを乗せたか。

「濤声」の襖の右手より左手へ大胆に打ち寄せる、白波の轟き。
荒磯もやがては、波頭も長閑かに。
和上の伝えた戒律が、やがてゆっくりと波及する様を捉えたのか。
めざましき浪の明朗さ、それを生み出す海の大いなること。

東山魁夷の渺茫たる「あお」を知りました。

今月、8日までの開催です。

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