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2015.05.15

葵祭2015、賀茂街道にて

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本日は、京都の三大祭のトップ飾る葵祭。
雨が心配されていましたが、無事に行列を終えることができたようです。
現在は、勅使代より斎王代が注目されますが、元々は宮中の行事です。
古典籍で、「祭り」とあれば、それは葵祭を指します。


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行列は、午前中に御所を出発し、下鴨・上賀茂両神社へと参ります。
乗尻(のりじり)を先頭に、
警護列:素襖(すおう)・看督長(かどのおさ)・検非違使志(けびいしのさかん)・検非違使尉(けびいしのじょう)
内蔵寮官列:山城使(やましろづかい)・衛士・内蔵寮史生(くらりょうのししょう)
馬寮官列:馬寮使(めりょうづかい)
風流傘を挟み
斎王代女人列:蔵人所陪従(くろうどどころのべいじゅう)・命婦・女嬬・童女・斎王代・騎女・内侍・女別当・采女(うねめ)
勅使舞人陪従列:前導・勅使・舞人・陪従・内蔵使と続きます。
列後方に、桜・橘・藤や葵桂にて飾られた牛車も追従します。

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私が行列を眺めるのは、賀茂街道が多いです。
賀茂街道は、この時期、欅などの新緑のトンネルをくぐりながらの行列の運びがゆかしく、
また、道幅も狭いので、行列が間近に見られますし、賀茂川も近いので、一息入れることも出来ますので。
写真は、行列の先頭を行く「賀茂競馬(くらべうま)」を奉納した乗尻(のりじり)。

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この乗尻の役の方、お馬さんがちょっと興奮してたのを、巧みに操っておとなしくさせておられれ、すごかったです。


まずは、このお祭りに欠かせない植物、フタバアオイをご紹介します。

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フタバアオイはウマノスズクサ科フタバアオイ属の多年草で、
茎が二股に分かれ葉を付けることから、この名が付きました。


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この時期、フタバアオイには花が咲きます。
俯きがち、しかも葉っぱの下に咲くお花は、地面すれすれまでにしゃがみ込まないと見えません。

フタバアオイは別名をカモアオイとも呼ばれます。
上賀茂・下鴨神社の神紋になっています。
あの有名な徳川家の三つ葉葵紋は、この神社の神紋に由来します。


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フタバアオイと共に、行列の貴人の挿頭(かざし)となるのは、桂の木です。
カツラ科カツラ属の落葉高木です。
葵は女性を、桂は男性を象徴していると言われています。

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今年の斎王代は、なんと、CAさんだとか!
路頭の儀の間は、斎王代は腰輿(およよ)に乗られます。
五衣裳唐衣(いつつぎぬからぎぬ)、つまり、十二単衣の上に小忌衣(おみごろも)を着せかけ、檜扇(ひおうぎ)を手に、髪は垂髪(おすべからし)、頂に心葉(こころば)を言われる金属と玉の飾りを付け、額の両側に日蔭糸(ひかげのいと)を垂れています。

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毎年注目してしまうのが采女(うねめ)。
采女とは、元々は天皇皇后の側仕え(主に食事の奉仕)の女官でした。
地方豪族の娘が人質として献上されたのが始まりで、そこから巫女へと派生したと言われます。
行列では、斎院の神事を司る女官で、絵衣(えぎぬ)の上に青海波の文様の唐衣、その上に、千早(ちはや)という薄絹を纏い、切袴とよばれる短い袴を履きます。
斎王代と同様に、頂に心葉(こころば)を言われる金属と玉の飾りを付け、額の両側に日蔭糸(ひかげのいと)を垂れます。
心葉と日蔭糸を装束に持つ者は、神様に奉仕する役割です。


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小袿(こうちぎ)姿に打袴の騎女(むまのりおんな)も、とても凛々しいですね。

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現在は、葵祭は斎王代女人列が注目されますが、本来はこちらの勅使列がメインです。
勅使は四位近衛中将が勤め、黒色の太刀はきの衣冠束帯姿。
上賀茂神社境内では、馬を降り、練歩(れんぽ)というゆったりとした歩き方で進みます。
後ろに、東游(あずまあそび)を舞う武官を従え、「河霧」の銘を持つ和琴を陪従がつま弾きつつ従います。

『源氏物語』では、この勅使を光源氏が勤め、第9帖「葵」にて“車争い”が起こります。
現在もちゃーんと、宮内庁掌典職より天皇さんのお遣いが遣わされます。
しかし、職員の皆様、大抵はいいお歳の方、光源氏の様な見目麗しい殿方とは参りませんねぇ(笑)。

上賀茂神社では、行列は皆、馬や乗り物を下り、徒にて参拝です。
本殿にては、御幣物・祭文奏上、祝詞や東游が奏された後、
上賀茂神社走馬(そうま)の儀が執り行われます。


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コメント

いけこ様、こんにちは

おお!

早い^^

流石、いけこ様

投稿: 高兄 | 2015.05.16 08:28

いけこ様

こんにちは。
葵祭の記事、たいへん興味深く拝見させていただきました!
雅な様子をのんびりと見るのもいいかもしれませんが、
背景を知っているとまた全然楽しみ方がちがいますね。

源氏物語は私の大好きな古典です(一番入りやすいと言われる田辺聖子さんの訳しか読んだことないですが)。
「車争い」が起きた、とか光源氏が勅使務めたというのは物語の中のことですが、なぜか、源氏物語のできごとは実際に起こったような気になってしまいます(笑)
六条御息所の気持ちがまだ、そこにありそうです(こわい?!)
単純に平安の昔にも同じようにお祭りがおこなわれていたことにも大感動です。

あ~、来年などなど、ぜひともご一緒したいです(^^)
いけこ先生の解説付きで・・・ふふふ。
ぜひともよろしくお願いいたしますー。
(仕事休んで行く価値があります!)

私もお江戸の歴史と良さをご案内できるように、もっともっと勉強したくなりました。

投稿: まろぷう | 2015.05.16 11:34

いけこさんこんにちは。

葵祭は毎年5月15日にあるのでしたら、旦那の誕生日に毎年開催されるのだと記憶しやすいです(^^)

牛車のきしむ音をいつか聞きに伺いたいです。

画像を見ていてふと思ったのですが、馬に乗られている方々は和装で馬具も古式馬具なので鐙が沓がのるような形ですね。
先日体験乗馬をして鐙から足が外れそうになって何回も鐙に靴を入れ直したのですが、古式の鐙は安定しているのか否か…。
貴族の方々はお供がお馬さんを引いているからそんな心配はいらなかったのでしょうけどね(^_^;)

いつか実際に見て感想を聞いてみたいものです(笑)

投稿: ちょるちょる | 2015.05.16 16:48

采女 も女官ながら騎乗になるのですね
またそのうち源氏物語読み返しとします

和紅茶の件ありがとう
聞いたことはあるけれどまだ出会ってません
今年のGWには数年ぶりに紅茶の
ファーストフラッシュを飲みました
冷めてくるとりんごのような香りの紅茶でしたよ

投稿: きくみ | 2015.05.18 22:48

おはようございます、高兄様

最近、私のブログは遅れがちなので(笑)。
ちょっと、緑に誘われてリアルタイムで更新してみました(笑)。
しかし、コメントバックが遅くなってしまい、恐縮です・・・。

お天気も良く、緑滴る王朝絵巻を拝見することができましたわ~。
高兄様の下鴨神社での御観覧はいかがでした??

投稿: いけこ | 2015.05.26 10:27

おはようございます、まろぷう様

是非是非!来年はご一緒しましょうよ~。
賀茂街道もステキですが、もし、初めて御観覧ならば、ちゃんと有料観覧席で!!
私もおススメは、上賀茂神社です。
斎王代さまも徒歩にて参拝されますし、楽士たちも行列ではただただ歩いて随従ですが、上賀茂神社参道では、楽が奏上されつつの参拝なので、雅やかなんですよ~。
行列がすめば、走馬の儀もございますし!!
そして、この時期は大きな桐の木に薄紫の花が咲くのもよろしいのです。

源氏物語が読み継がれるのは、まろぷう様の仰る通り、リアリティがあるからなのかなとも思いますね。
特に、京都におりますと、様々な古典籍に登場する行事や寺社仏閣が現存するので、余計に、感情移入ができそうな気がします。

清少納言も枕草子で、「四月、祭の頃いとをかし。(中略)木々の木の葉、まだいとしげうはあらで、わかやかにあをみわたりたるに、霞も霧もへだてぬ空のけしきの、なにとなくすずろにをかしきに・・・」とありますのも、趣深いです~。

投稿: いけこ | 2015.05.26 10:36

おはようございます、ちょるちょる様

丁度5/15は、葵祭と共に、毎月15日開催の百万遍智恩寺の手作り市もございますので、両方是非とも堪能くださいませ!
旦那様のお誕生日プレゼントに、ご一緒に京都へご旅行はいかがです?

行列は、まさに、馬の少し高い蹄の音、牛車の車輪のごとごと行くさま、それを引く少し重い牛の蹄の音や、随従の衣擦れの音など、様々楽しむことができます。

お馬さんの行事にご興味がございましたら、葵祭の関連行事、上賀茂神社で行われます5月5日の賀茂競馬(かもくらべうま)もおススメです!!
この記事の法尻は、ちょるちょる様の御推察の通り、木製の和鞍や和鐙 (わあぶみ)など古来の馬具を使用し、乗馬法は「賀茂悪馬流」だそうです。
和鐙 (わあぶみ)は、前傾姿勢に向いたもの(流鏑馬とか)と、むかーしむかし大学風俗文化史の授業で習った記憶がー(笑)。

投稿: いけこ | 2015.05.26 10:47

おはようございます、きくみ様

采女と違って神様に仕えるのではなく、女官ながら斎王代を守る武官扱いなんでしょうね~。
お馬さんに乗る女性はかっこいいです!
そして、現代の検非違使(笑)、宮廷警備隊もお馬さんにのって、行列の先頭を行かれてて、騎乗のお一人は女性でかっこよかったです!!

久しく私もファーストフラッシュを飲んでませんなぁ。
和紅茶は、今度おすそ分けするね。

投稿: いけこ | 2015.05.26 10:51

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