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2010.05.17

葵祭2010 賀茂街道~上賀茂神社・走馬(そうま)の儀

15日の土曜日は、大変良いお天気でした。
麗らかな晴天、爽やかな新緑の下、葵祭が敢行されました。
京都の三大祭のトップ飾る葵祭、現在は、勅使代より斎王代が注目されますが、元々は宮中の行事です。
古典籍で、「祭り」とあれば、それは葵祭を指します。

まずは、このお祭りに欠かせない植物、フタバアオイをご紹介します。

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フタバアオイはウマノスズクサ科フタバアオイ属の多年草で、
茎が二股に分かれ葉を付けることから、この名が付きました。


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この時期、フタバアオイには花が咲きます。

フタバアオイは別名をカモアオイとも呼ばれます。
上賀茂・下鴨神社の神紋になっています。
あの有名な徳川家の三つ葉葵紋は、この神社の神紋に由来します。


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フタバアオイと共に、行列の貴人の挿頭(かざし)となるのは、桂の木です。
カツラ科カツラ属の落葉高木です。
葵は女性を、桂は男性を象徴していると言われています。


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今年は、久しぶりに週末に葵祭が敢行されましたので、随分と人出が。
私はいつもの通り、賀茂街道より眺めました。
賀茂街道は、この時期、欅などの新緑のトンネルをくぐりながらの行列の運びがゆかしく、
また、道幅も狭いので、行列が間近に見られますし、賀茂川も近いので、一息入れることも出来ますので。
行列は、御所を出発し、下鴨・上賀茂両神社へと参ります。

写真は、斎王代女人列の騎女(むまのりおんな)です。


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路頭の儀の間は、斎王代は腰輿(およよ)に乗られます。


上賀茂神社にて、行列は皆、馬や乗り物を下り、徒にて参拝です。
先日、同社にて「賀茂競馬(くらべうま)」を奉納した乗尻(のりじり)を先頭に、
警護列:素襖(すおう)・看督長(かどのおさ)・検非違使志(けびいしのさかん)・検非違使尉(けびいしのじょう)
内蔵寮官列:山城使(やましろづかい)・衛士・内蔵寮史生(くらりょうのししょう)
馬寮官列:馬寮使(めりょうづかい)
風流傘を挟み
斎王代女人列:蔵人所陪従(くろうどどころのべいじゅう)・命婦・女嬬・童女・斎王代・騎女・内侍・女別当・采女(うねめ)
勅使舞人陪従列:前導・勅使・舞人・陪従・内蔵使
と続きます。
列後方に、桜・橘・藤や葵桂にて飾られた牛車も追従します。


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風流傘あたりから、上賀茂神社の有料席にて見学しました。


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蔵人所陪従は、雅楽を奏しながら鳥居をくぐります。


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斎王代は腰輿(およよ)から降ります。
五衣裳唐衣(いつつぎぬからぎぬ)、つまり、十二単衣の上に小忌衣(おみごろも)を着せかけ、檜扇(ひおうぎ)を手に、髪は垂髪(おすべからし)、頂に心葉(こころば)を言われる金属と玉の飾りを付け、額の両側に日蔭糸(ひかげのいと)を垂れます。

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小袿(こうちぎ)姿に打袴の騎女(むまのりおんな)もよいですが、私は女人列では采女(うねめ)の衣裳が素敵だと思います。
采女とは、元々は天皇皇后の側仕え(主に食事の奉仕)の女官でした。
地方豪族の娘が人質として献上されたのが始まりで、そこから巫女へと派生したと言われます。

行列では、斎院の神事を司る女官で、絵衣(えぎぬ)の上に青海波の文様の唐衣、その上に、千早(ちはや)という薄絹を纏い、切袴とよばれる短い袴を履きます。
斎王代と同様に、頂に心葉(こころば)を言われる金属と玉の飾りを付け、額の両側に日蔭糸(ひかげのいと)を垂れます。
心葉と日蔭糸を装束に持つ者は、神様に奉仕する役割です。

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現在は、葵祭は斎王代女人列が注目されますが、本来はこちらの勅使列がメインです。
勅使は四位近衛中将が勤め、黒色の太刀はきの衣冠束帯姿。
練歩(れんぽ)というゆったりとした歩き方で進みます。
後ろに、東游(あずまあそび)を舞う武官を従え、「河霧」の銘を持つ和琴を陪従がつま弾きつつ従います。

『源氏物語』では、この勅使を光源氏が勤め、第9帖「葵」にて“車争い”が起こります。
現在は、宮内庁掌典職より天皇さんのお遣いが遣わされます。
大抵は、いいお歳の方、光源氏の様な見目麗しい殿方とは参りませんねぇ(笑)。

勅使は、拝観者全員立礼にて迎えます。

行列が到着後、本殿にては、御幣物・祭文奏上、祝詞や東游が奏されます。
(恐らく、氏子関係者のみ観覧可)

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下々の私たち(笑)は、こちらの参道にて走馬(そうま)の儀を待ちます。

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走馬祝詞を奏上し終えた、寮の馬・賀茂の馬が一の鳥居へ。


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走馬の儀は、参道を一の鳥居~二の鳥居に向かって、一頭ずつ一気に走り抜けます。
烏帽子・浄衣・紫奴袴・木綿襷(ゆふだすき)を掛けた装束です。

この儀は、賀茂祭(葵祭)始源のご神託による儀式で、乗尻は賀茂県主同族会が奉仕されます。
参道での走馬の儀の後は、御阿礼所神館(みあれしょこうだて)にても走馬の儀が行われます。
(こちらは、非公開だそうです)


蔵人所陪従(べいじゅう)、斎院にて雅楽を奏する役人です。



上賀茂神社、社頭の儀の一つ。走馬(そうま)の儀です。


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葵祭は終わりましたが、もう次のお祭りの準備へ。
葵祭が貴族達のお祭りとすれば、祇園祭は町衆のお祭り。
15日の夜、山鉾町辺りでは、あちこちで祇園囃子の練習がそこここの会所で行われておりました。
こちらは、函谷鉾(かんこぼこ)の会所です。

参考

写真:2010年5月15日 賀茂街道・上賀茂神社・京都府立植物園
    

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コメント

葵祭り、何年か前、京都御苑の南にある、京都地裁の石垣に腰掛けて観たのですが、無声映画でも見ているようで、イマイチでしたが、上賀茂神社では、雅楽の演奏があるのですね!
4枚目の写真、緑が本当にキレイですね。
新緑と鴨川と行列をセットで見てから、上賀茂神社に移動する、ナルホド、いけこさん、さすがですね !
ところで、移動は、スムーズにできるのでしょうか?

投稿: 南青山便り | 2010.05.17 19:16

走馬の儀、ばっちり撮れてますね。

動画に私は写っていませんが、
私の写真の方にいけこさんらしき人を見つけました。

もしかして、青っぽいクレーの服をお召しではなかったですか。
だとしたら、半径5m以内に急接近していましたよ。

着物美人ばかり気にしていたので、
全然判らなかったです。

投稿: なおくん | 2010.05.17 22:03

なんで日本法律専門学院が?と思ったら、看板の下で練習しているのですね。
びっくりしました。

お祭りの行列(と言って良いのかな?)けっこう長い道のりを歩かれてますよね?
それにあわせていけこさんも移動している訳ですね?
良い運動になりましたね。
てっきりお着物で見物されているものと思っていましたが、それだけ移動されるとなると、お着物は大変ですよねぇ。
サングラスの女性、もう一度ニュースを探してみます!

投稿: 外付け胃袋 | 2010.05.18 00:18

数年前賀茂街道で見たときはかなり暑くて
お馬さんが途中で運ばれていったことを思い出しましたA^^;
そのことを思うと今年はまだ見学しやすい気候だったのでは?

でも、予備知識がないとしっかりと葵祭を楽しめませんね~A^^;

いけこさんのブログでお勉強します♪(^◇^)ヾ(^^;)

投稿: Milk | 2010.05.18 11:17

おはようございます、南青山便り様

お返事が遅くなりまして、申し訳ございません。
下鴨・上賀茂両神社では、社頭の儀がございますので、このような仕様となります。
ただ、車止めがございますから、神社内での見学ですと、騎女は騎乗しておりませんし、腰輿や牛車は見られないことになります。
東游はいつか見てみたいのですが・・・。

移動についてですが、行列と供に賀茂街道沿いを移動することは難しいですが、賀茂川沿いを歩いて行列を追いかけることが出来ます。
行列は御園橋から上賀茂さんへ参りますが、その橋を渡ることは不可能です。
ですから、2~3本ほど前の橋で対岸へ渡らないといけません。
そこから一本東よりへ迂回し、上賀茂神社へはならの小川脇から入ることになります。

ただ、私のこのルートですとほぼ前列の検非違使辺りまでは見ることが出来ません。

投稿: いけこ | 2010.05.22 09:29

おはようございます、なおくん様

お返事が遅くなりまして、申し訳ございません。

当日は午前中通院のため、動きやすい服装で出掛けました。
よいお天気でしたので、着物で出掛けたかったのですが、残念です。

当日は、グレーの上着ではなかったような・・・。
黒のシャツを着ておりましたので・・・。

投稿: いけこ | 2010.05.22 09:34

おはようございます、外付け胃袋様

昔ながらの町家の会所もございますが、現在はこのようなビルの二階(鉾の場合、背が高いので、二階から鉾内へ出入りします)や、マンションなどでも行われます。
この日は夜に山鉾町を歩いていると、いろんな所から様々なお囃子が聞こえて参りました。

葵祭は御所を出発して、下鴨神社へ寄り、そこから上賀茂神社へ参りますので、大体10㎞弱くらいでしょうか。
衣裳も重いですから、行列の皆様はさぞ大変かと。
私たちは身軽ですし、川沿いを歩きますから、涼やかで、いいお散歩ですよ~。

投稿: いけこ | 2010.05.22 09:42

おはようございます、Milk様

今年は時折爽やかな風が渡りましたので、良かったです。
賀茂街道は、木陰もございますしね。
お馬さん達も、少しは過ごしやすかったかと。

私も社頭の儀は初めてでした。
今年は流鏑馬に競馬に走馬にと、お馬さんに縁のある行事を堪能しましたわ。

投稿: いけこ | 2010.05.22 09:44

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