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2009.04.01

夜桜ーさくらライトアップー下木屋町の太夫道中

木屋町というと、よく思い浮かべるのは大体三条通り~四条通りまでが注目されています。
ですが、その間は歩道が有れども、自転車が止まっていたり、繁華街のため車の出入りが激しかったり。
ちょっとゆったり夜桜見物というには、なかなか・・・。
なので、私は数年前よりライトアップを下木屋町、つまり四条~五条間で楽しんでおります。
ぼんぼりに灯りがともり、高瀬川沿いのお店の灯りと共に、なんとも好い雰囲気です。

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萌葱の柳をこき混ぜて、都の春の夜錦。

この日(4月1日)は、この下木屋町(団栗通り~仏光寺通り)にて太夫道中が行われました。
ここ数日の花冷えの為、桜の開花はそれほど進まず。
花待ちの心地でしたが、京都は島原の輪違屋の花扇太夫さんと如月太夫さんがまるで満開の桜の様です。


太夫というと、律令の従五位下、そこそこの貴族の無位の息子などが元服して最初に頂く階位でもあります。
五位以上が殿上人、殿上人とは、天皇さんの清涼殿に昇殿できる身分をもった人です。
つまり、五位以上の位でないと、天皇さんにはお目通り出来ません。
(『源氏物語』の夕霧が六位を貰ってがっかりしたのはそのせいです)
↑京都には花街がありますが、舞妓さん、芸妓さんとは違います(こちらは町人文化です)。
私の知識はここまで(苦笑)。

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恥ずかしながら、太夫さんのことをあまり知りませんで・・・。
沢山の疑問を、太夫道中を待つ間、花扇太夫さんとエッセイストの麻生圭子先生が
仏光寺公園のトークショーで教えて下さいました。

よく映画やテレビの時代劇に出てくる「花魁道中」と「太夫道中」も全く違います。
花魁は、江戸(吉原)、武家文化より生まれたもの。
太夫は、京都、公家文化より生まれたものです。
“道中”も、花魁道中では、外八文字、太夫道中では内八文字です。

太夫さんが正五位をお持ちというのは、天皇さんのお側に殿上なさるということなのです。
芸事はもちろん、教養も美も最高の女性なのです。

現在、島原の太夫さんは3名、昔は各太夫さんにつき10人くらいの禿(女の子)さんがついていらしたそうです。
太夫さんの間での禿さんの貸し借りは無かったそうですよ。
しかし最近では、塾やら習い事で難しく、みんなで仲良く貸し借りしてますと笑いながらお話下さいました。
禿さんのお袖には鈴が付いていて、緋色の着物がとても可愛らしいです。

花魁と太夫では、帯の結びも違います。
太夫は、前帯で「心」の文字に結び、花魁は前帯に「まな板」。
「心」を隠さず、「心」からのおもてなしをするという意味を含んでいるそうです。
はんなりした京言葉が耳に優しく、とても楽しいお話に、花冷えの寒さも忘れるほどでした。

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楽しいお話を聞いている間に、太夫道中の到来です。
如月太夫さんの艶やかな太夫道中です。
三枚歯の下駄で内八文字、「いちひめ雅楽会」の演奏を先導に、ゆったりと練り歩きます。
太夫さんたちは、皆さん素足、花冷えの今宵はさぞ寒かろうと思うのですが・・・。

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舞姫さんによる櫻花の舞の奉納があり、
太夫さんとのお見合いの儀式の「かしの式」を行います。
輪違屋の引舟さんが太夫さんを呼び出し、「如月太夫はん~」と紹介されます。
昔は何人も呼んで、自分の気に入った太夫さんを選んだそうですよ。


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如月太夫さんによる「かしの式」。
手にした杯で、お客と自分とを交互に写します。


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「いにしへの舞」をご披露下さいました。
優美な所作に溜息がでます。
流れるように舞っておられますが、実は頭の簪などだけでも3キロ、着物をいれると全部で30キロにもなるそうです!

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花扇太夫さんです。
下木屋町の夜桜の様ではありませんか。


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昼の顔は何処へやら、夜桜妖艶。

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コメント

おはようございます
凛としたものと、寒さが伝わってきます
ふむふむ、お勉強になりました
毎年の行事ですか?4月1日限定ですか?
春の宿は最近その近くが多く朝、昼、夜と川せせらぎと共に
静かな花見を楽しんでます。花も多くて綺麗ですよね。
しかしこの寒さは何でしょう、花冷え?と言うのありましたっけ。
すごい勢いで咲いて、散ってしまいそうでしたが急停止ですね
今夜は花見ですが熱燗が人気を呼びそうです。
京都の計画が纏まりません。食事の予定も立たず・・・
目新しいところも入れたいし、重森三玲・・は頂こうかとも

投稿: kame | 2009.04.03 05:46

いけこさま
おはようございます。
なるほどふむふむと読ませていただきました。
太夫と花魁の違い、太夫が従五位下で天皇さまの側にあがることができること、夕霧ががっかりした理由など、興味尽きません。
知識の裏づけがあってこそ、季節の行事がさらに楽しいものとなるのですね!

先陣をきる桜、しんがりを務める桜、桜もいろいろですが、できるだけ長く、人の目を心を楽しませてくれるといいですね~。
しかし年々早くなるような?

投稿: けんこう | 2009.04.03 10:28

いけこさん。こんにちは。
あ~ん! この道私の通勤路(通学路?)じゃないですか~!!朝のさくらは記事にしました~
かむろさんたちがかわいいですねっ!
きさとぱぱ。としては、太夫さんより横の薄紫の着物の女性のほうが・・・・笑

投稿: きさとぱぱ | 2009.04.03 16:55

こんにちは、kame様

お返事が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。
kame様のご上洛も間近になりましたね!!
そろそろご予定はお決まりになりましたか?
花冷えで足踏みしていましたが、
流石にこの暖かさで、ソメイヨシノ一気に開花揃って参りました。
ご上洛の歳には、見事な桜吹雪ではないかと思います。

太夫道中は、どうやら4月1日の恒例のようです。
最近始まったばかりの行事ですので、来年もあるかと思うのですが・・・。
(下木屋町会主催)


投稿: いけこ | 2009.04.07 15:59

こんにちは、けんこう様

お返事が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。
あれほど冷え込んだ京都も、ここ数日は良いお天気でぽかぽかです。
お陰でソメイヨシノは一気に花開き、豪華に京都を彩っております。
京都は早手(御所糸桜や山桜)、中手(ソメイヨシノに紅枝垂れ)、遅手(御室桜や里桜系)と桜暦がありますので、他よりは長く楽しめますが、それでもここ近年の早送りにはやきもきです(笑)。

太夫道中、本当にしっかり勉強になりました。
下々の者には縁遠い世界、文化は奥深いですわ~。

投稿: いけこ | 2009.04.07 16:03

こんにちは、きさとぱぱ様

お返事が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。
かむろさんたち、可愛らしいでしょう~!!
ですが、道中が終わった後、お母さん方の大撮影会でした(笑)。
皆さん、わが子の晴れ舞台ですものね~。

太夫さんの側にいらっしゃるのは、振り袖さんです。
吉原でも、振袖新造がいてはりましたよね。
去年は、今年は太夫をお勤めされた、如月太夫さんがついてらしたそうですよ~。
来年はもしかしたら、こちらの振り袖さんが太夫デビューでしょうか!?

投稿: いけこ | 2009.04.07 16:07

はじめまして、検索からやってきました~

関西在住の私、木屋町道中、行きたかったですが、夜の京都は出づらくて・・・。

今年は情報が交錯していたらしく?
見られなかった方々もいらっしゃるようです。いけこさんご覧になられてよかったです。

舞妓や芸妓同様、太夫さんも京都にしか
存在しない女性。頑張って伝統を繋いでいってほしいと思います。

舞妓さんと違い、年齢・学歴による制限が
ないのはいいのですが・・

※舞踊と茶道の習得は必須(おそらくキャリア5年以上) しかも自前でお稽古しないと
いけない
※お座敷に呼ばれるためには、そのほかに
和楽器・唄(いわゆる純邦楽)の技芸
書道の知識・技術が必要 これも年数を
積んでいること さらに太夫になって後も
さらなる研鑽・新たな芸教養習得の時間を惜しんではいけない
※太夫にふさわしい気品ある容貌でないと
つとまらない
※なんといっても輪違屋に紹介してくれる
仲介者がいないときっかけもない

といった感じで大変なハードル。
ですが、今まで存続してきたこと自体
すごいですけど。続いてくれると信じて
います。京都ですしね・・・。

投稿: さつき。(嶋原応援してます) | 2009.06.19 08:50

初めまして、さつき。様

ご訪問、コメント有難う存じます。

私も当日まで時間や詳細が曖昧でしたので、難儀いたしましたが、お陰様で京都市内在住の強みで何とか間に合いました。
会場付近のお店の門口には、数日前よりポスターが貼られていたそうで、ご近所の方々はそれをご覧になって見に来られたようでした。

さつき。様が仰いますとおり、太夫さんも京都ならではですので、繋いでいって欲しい伝統ですよね。
まさに伝統教養の化身ですもの!!
花扇太夫さんも、下木屋町のお店、「もち料理きた村」さんところのお嬢さんで、ご紹介で島原へあがられたそうですよ。

投稿: いけこ | 2009.06.19 15:14

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