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2009.02.06

當る丑年吉例顔見世興行 その4

第四 梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
   鶴ヶ岡八幡社頭の場

梶原平三景時/吉右衛門  青貝師六郎太夫/歌六  娘梢/芝雀
梶原方大名山口政信/桂三  同 川島近重/亀鶴
同 岡崎頼国/種太郎  同 森村宗連/吉之助
囚人剣菱呑助/由次郎  飛脚谷山早助/錦之助
俣野五郎景久/歌昇  大庭三郎景親/我當


すいません、この演目、私ほとんど吉右衛門様しか見てません(笑)。
名題下のかたも沢山出演され、舞台上は演者も多く賑やかなんですけど・・。オペラグラスがっつり抱えて、吉右衛門様をガン見してました。
恋には勝てませんの~。えへへ。子どもの頃から憧れのお方、こんなに間近で見られるなんて!
テレビの「鬼平」は必ず見ます。そういえば、この演目、役名も平三様なんですよねぇ。

この演目は、平安末期、世は「平家であらずんば、人にあらず」と栄えた平家が次第に陰りを見せ始める時代です。源頼朝が平家打倒の挙兵をしましたが、石橋山の闘いにて敗走。そのお礼参りに、平家方の武将達(梶原・俣野・大庭)が鶴ヶ岡八幡宮へ参拝し、そこへ源氏方の六郎太夫達が大庭に刀を売りにくると言う場面です。六郎太夫は源氏の武将である婿に、刀を売った3百両を持たせたいのです。そこで、丁度よいと大庭は刀の鑑定を梶原に依頼します。鑑定の結果、梶原は六郎太夫が源氏方であると気づきます。刀は銘品。いずれ役立つときがこようと梶原は敢えて大庭に刀が渡るのを阻止します。何故なら、梶原は源氏に与していたのです。

歌舞伎の演目では、敵役が多い梶原ですが、この演目では分別のある人物として描かれています。刀の鑑定や二つ胴に、題にもある八幡宮での手水切りなど、刀の演出が際立っています。


まずはメイン演出の1つである二つ胴の演出から。 “二つ胴”とは、人間を2つに重ねて胴体を切り、刀の切れ味を試すというもの。囚人が引き出されてきましたが、1人足りません。何としてでも婿に3百両渡したい六郎太夫は、自分と重ねて切ってくれと頼みます。もちろん、温情のある梶原、2人切ったと見せかけて、囚人1人のみを切り、六郎太夫を助けます。

この囚人、「剣菱呑助」の名前の通り、呑兵衛という設定。なので、自分の身の上話の科白にお酒の銘柄がかかってきます。「牢にも大方、百年の孤独(焼酎)」、「今日引き出されて発泡酒」など、色々な種類のお酒が飛び出し、観客も大笑いです。
千秋楽だからアドリブ!?と思ったのですが、こちらの科白のお酒の部分は役者さん心次第。
舞台って生き物だなぁと思いました。

しかし、助かった六郎太夫は刀がなまくらかとがっかりします。案ずるなと梶原は八幡様の手水を切手見せ、刀の素晴らしさを証明し、自分が買い取ると申し出ます。
この“石切”、後ろ向きに切る「吉右衛門型」と正面で切る「羽左衛門型」があります。

手水に向かい刀を振りかぶった吉右衛門様の背中を、息を詰め、食い入るように見つめます。見事、真っ二つに石切をし、皆、満面の笑みを浮かべ、やんややんやの喝采。
「斬り手も斬り手」(六郎太夫)「剣も剣」(梶原)の科白の後、「役者も役者!」と大向こうから声が飛ぶそうです!!(千秋楽ではありませんでした。聞きたかったのに~)

主人公3人は、舞台の定式幕が閉まっても退出しません。幕外での遣り取りがあり、梶原より順に花道を退場します。

吉右衛門様の魅力が満載の演目でした。梶原から滲み出る渋さと温かみ。肝が据わっているからこその軽み。特に刀の鑑定の場面での目の鋭さは、鬼気迫るほどでした。剛胆でありながらも、繊細さを合わせ持ち、惚れ惚れするほどの男振りでした。
花道での遣り取りの後、微笑みながらゆったりと満足げに足を運ぶ吉右衛門様の姿が目に焼き付いています。

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コメント

あ~ぁ、うらやましい!
私もなま吉右衛門様見たかったぁ。。ヾ(^^;)

投稿: Milk | 2009.02.07 13:46

こんにちは
吉右衛門さま堪能できたようで・・・
テレビのときはお酒のほうは割とオーソドックスな様で
こなから(二合半)酒、鬼ころし、三年酒、菊酒、ひや酒、
迎え酒、あられ酒、ふじみ酒、いたみ酒と言ったところでした
「役者も役者の」声もなかったようです

投稿: kame | 2009.02.08 18:21

こんにちは、Milk様

生吉右衛門様は、素敵でしたわ~!!
また来年も是非来て下さらないかしらと。
その時は花道横で見てみたいです!!

投稿: いけこ | 2009.02.09 16:43

こんにちは、kame様

もう、うっとりと堪能して参りました~。
テレビで拝見していた通り、素敵なお方でした。

やはり、N●K、はっきりとメーカーなどがわかるとまずいのでしょうね(笑)。
役者さんも大変ですねぇ。
呑助のテロップはどうでした?
もしかして、名字は削除されていたりして(笑)。
何せ“剣菱”ですからねぇ。
「役者も役者!」の掛け声は、一度は聞いてみたいものです。

投稿: いけこ | 2009.02.09 16:48

こんばんは
吉右衛門様傍で見るのはこんぴら歌舞伎がいいかも。
比較的安いし・・・
15周年、20周年と出演し25周年の今年期待してたのですが
剣菱は始めと、登場シーン2回もしっかり出てました
登場人物の名ではしかたないのでは
「役者も役者」は間の問題で難しいそうです
又、役者により殆ど間のない方もいらっしゃるそうです
吉右衛門様もそれかと

投稿: kame | 2009.02.09 19:58

こんにちは、kame様

もしや、名字も無しだとはと思っておりましたので・・・。
よかったです、ちゃんとあったのですねぇ(笑)。
なるほど、なるほど。
大向こうさん、やはり、役者さんの科白に被ってしまったり、迷惑になってはいけませんものね。


顔見世、今回、お値段は清水の舞台から飛び降りるくらいでと(汗)。
こんぴらさんならば、旅費と宿泊費が・・・。
案外もしかしたら、トントンになるのかもしれません。
ですが、あの芝居小屋の雰囲気、間近でみられるならば、一度、こんぴら歌舞伎へ行ってみたいと思います。
さすがに、着物での鑑賞は難しいでしょうが。

投稿: いけこ | 2009.02.10 13:53

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