« 當る丑年吉例顔見世興行 その1 | トップページ | 當る丑年吉例顔見世興行 その3 »

2009.01.30

當る丑年吉例顔見世興行 その2

第二 八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)
   湖水御座船の場

佐藤正清/我當  斑鳩平次/進之介
正木大介/愛之助  雛衣/秀太郎

こちらは安土桃山~江戸時代の加藤清正の伝説を元に作られた演目です。
幼少の豊臣秀頼の後見役であった加藤清正は、徳川家康に毒殺されたと言う伝説があり、ここでの佐藤正清は清正、春若君(名前だけで登場しない)を秀頼、北畠家中を家康方と見立てたお話です。

「湖水御座船の場」は、上使との対面を済ませ、琵琶湖の湖面を船で安土城へと帰参する場面です。既に毒酒を飲まされた正清を、北畠家中があれこれと理由をつけ、何度も様子見に来、果ては刺客まで送り込みます。本当は毒がまわっている正清、後見の春若君を助けるため、そぶりを見せません。しかし、段々と毒が回ってき、それでも最後船首にて、「はてうららか~」と決める正清が見物です。

舞台の仕掛けも大がかりで、最初は大きな朱塗りの大船腹を向けてのお芝居、最後は大船がぐるっと廻り、船首にての最後の科白。刺客の潜む鎧櫃や北畠家中の漕ぎ船など、楽しい演出が沢山でした。
今回、特におぉっと思ったのは、定式幕が上がっても、まだ一面浅黄幕に覆われ、舞台が見えません。柝(キ=拍子木のこと)が打たれると同時に、さっと浅葱幕が切って落とされます。そして、現れたのは大船に乗った役者さんたち。目覚ましく、一気に舞台に引き込まれました。

どっしりゆったりとした我當さんの正清、何とも愛らしい秀太郎さんの雛衣(なんと、お琴は義太夫の三味線!!実際には弾いていないのに、三味線に合わせ、いかにも弾いているような様は素晴らしいです)、先ほどの勇ましい五郎とは違い今度は可愛らしい若小姓ぶりの愛之助さんの大介(お化粧でこんなに印象が変わるのですね!!吃驚しました)、あれれ?進之介さんの印象が・・・?ごめんなさい・・・。流石の貫禄の我當さん、うっとりしてしまいました。

第三 藤娘(ふじむすめ)

藤の精/藤十郎

客席も舞台も暗転、真っ暗の中、唄いが聞こえて、ぱっと舞台が明るくなると、中央には大きな松に滝のように枝垂れる藤の花房。華々しい演出に、観客からも「わぁっ」と歓声が上がります。そこに匂うように黒塗笠に藤の枝を掲げた艶姿はなんとも色っぽいのです。

藤十郎さんの、瑞々しい娘っぷりにきゅんとなります。とてもとても御年77歳!とは思えず(笑)。男の不実を怨じてのクドキはしみじみ、近江八景になぞらえての衣裳早替えも艶やか。もう、舞台に飛んでいって抱きしめたくなるくらいでした。


|

« 當る丑年吉例顔見世興行 その1 | トップページ | 當る丑年吉例顔見世興行 その3 »

コメント

いけこさんおはようございます。
今日で前期試験も終わり。明日はのんびりできそうです。
一度、どこかから伝手を辿って「隈取り」
の写しが欲しいな~!!じっと見ていると舞台が頭の中で再現できそうな気がして・・・

投稿: きさとぱぱ | 2009.01.31 09:40

おはようございます
いけこ様がアップしたので昨日改めてビデオを観ました
幕がさっと下りて大船が出てたり、舟が廻りだしたり、
又、藤娘の幕開きなど「うわー」「うおー」とか聞こえそうです
そんな喜びも劇場ならではの楽しみの一つですねー
藤娘、歌舞伎でじっくり観たの始めてかも、人気があるの解るような・・
舞台も、踊りも華やかで艶やかで楽しめますね
瑞々しい藤十郎さんを生で観れてよかったですね

投稿: kame | 2009.02.01 05:11

おはようございます、きさとぱぱ様

前期日程終了お疲れ様でした。
うちは今週末です。
私も隈取りが欲しくって(笑)。
なのでお土産に、南座限定「隈取りチョコ」というものを購入しました。うふふ。

投稿: いけこ | 2009.02.03 10:34

おはようございます、kame様

そうなんですよ~。
定式幕が上がったとき、一面浅黄色で「あれれ?」と思った瞬間に、さっと大船が現れて。
かわって、「藤娘」の方は、暗転から一気に舞台が明るく。
客をそらさない、良い演出だなぁと思いました。
歌舞伎って、全てが計算し尽くされた様式美なんですねぇ。

投稿: いけこ | 2009.02.03 10:38

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84623/43893519

この記事へのトラックバック一覧です: 當る丑年吉例顔見世興行 その2:

« 當る丑年吉例顔見世興行 その1 | トップページ | 當る丑年吉例顔見世興行 その3 »