« 大阪造幣局通り抜け その2 | トップページ | 京都桜便り2008 終宴 »

2008.04.25

香川旅行 その3 金刀比羅宮 書院参拝

時間の関係上、奥の院は諦め、私の今回のメイン、書院拝観に参ります。

金刀比羅宮は、「琴平山再生計画」をもって、境内を「社殿ゾーン」と「文化ゾーン」に分けて整備を推進してきました。
「文化ゾーン」の整備完成を記念し、この度、金刀比羅書院の公開、及び国内巡回展が開催されました。
今期公開された書院は、「表書院:鶴の間・虎の間・七賢の間・山水・上段の間(以上円山応挙)・富士一の間・二の間(邨田丹陵)の計7室」・「裏書院:上段の間(花丸図若冲)・春の間・菖蒲の間・柳の間(岸岱)計4部屋」・「白書院(田窪恭治)」。
私の目当ての若冲は「裏書院」にあります。実は、若冲が描いたのは上段の間の『花丸図』だけではなく、二の間に「山水」、三の間に「杜若」、広間に「垂柳」があったそうです。
しかし、虫害で損傷が激しく、上段の間の『花丸図』のみを残し、全て後世の、同じく京都の画家である岸岱の絵と取り替えられました。
散逸したとされていた襖絵の断片、『飛燕図断片』が愛媛県四国中央市定蓮寺で発見され、併せて今回里帰り公開されました。(随分と箔落ち、褪色しています。)

書院の門をくぐり、表玄関から入ると脇部屋にすぐ、若冲『花丸図』襖絵が一部公開されていました。この襖絵・障壁画が作成依頼された頃、若冲は既に『動植綵絵』に取り掛かっていました。こちらの襖絵も同様、随所に若冲お約束の虫食いや枯葉の“はぐれもの”たちが描かれています。私の大好きな白木蓮も描かれ、拝観できることの感激がこみ上げます。
しかし、執拗に描かれた百合の葉や曲がり枝の多い梅や桃、蔓を巻き込んだ朝顔など、躍動感が感じられる意匠や、また、金押しに極彩色の植物たちにもかかわらず、何故だか言いようのない、静けさを感じました。
実は初めてHPなどで『花丸図』を見たとき、この意匠はそのまま京友禅の花丸紋ではないのかと。そして、実際に拝観してみて、『動植綵絵』の“動”と違い、ぺたりとした“静”の印象を受けました。
この印象は何であろうと襖の前で、若冲ならではの濃密さや鮮やかさをゆったりと堪能しながら(遅かったので人がとても少なかったのです)、「そういえばこれは植物採集帖に似ている」と思い至りました。思えば『動植綵絵』は、皆、趣は違えど、大地より“生きた花”が立っていました。『花丸図』は全て切り花なのです。切り花として、生の輝きはそこで終わり、後は静々と満ちてくる死。そうして、その一瞬を切り取って描かれた切り花はそのまま神への献花なのではないかと。

応挙の虎にチャイを思い出し(本当に猫っぽいのです)、山水図の迫ってくるような流れに圧倒されながら、表書院を抜け、裏書院へ。再び、若冲の『花丸図』に、箔もまだ鮮やかな岸岱の画に魅了されました。
特に、岸岱の飛ぶ蝶達、かそけき羽根の美しさをひらめかせ、綺羅の風に乗っての群舞。丁度西日が差し込み、箔の反射のせいか、一斉に舞い立つように見えました。

|

« 大阪造幣局通り抜け その2 | トップページ | 京都桜便り2008 終宴 »

コメント

う~ん・・・これだけ読んでいても絵が浮かんでくるようです。輪郭がくっきりしているので、「静」のイメージが強くでているのかな?
うどんだなんだ~・・・と食べ物ばかりに浮かれていないで、香川に行ったら金毘羅さんも行ってみよう・・・
八重のさくらは玉みたいにふわふわ咲くのが、愛らしくてきれいですね。

投稿: きさとぱぱ | 2008.04.26 08:56

いけこさま
こんにちは。
名残の桜もついに終わり、青々とした葉桜が晴れ渡る空に映える季節になりましたネ。私は1年の中でこの季節が一番好きなので、台湾では感じることのできないこの時期を、今年は楽しんでいます。

文章だけ、写真がないのに、情景が浮かぶよう。いけこさんの観察力と、表現力にぐっと引き込まれるとともに、金比羅さんに行って書院を参拝したいと思いがむらむら。
今まで香川というと、讃岐うどんと(なぜか)松本明子のイメージが強かったのですが、これからは金比羅さんで!!!笑

投稿: けんこう | 2008.04.26 17:25

おはようございます、きさとぱぱ様

リンク、有難うございます。
私もリンクさせて頂きますね。
今後ともどうぞ宜しくお願いします。

本来なら、書院がメインとは金刀比羅詣りには邪道なんですけれど(笑)。
それに時間が足りなくて、奥の院までは参拝できておりませんし。
うどんも本当においしかったので、グルメも狙って行きましょう!!
私もくす玉みたいに丸く咲く、八重がかわいいなぁと思っています。

投稿: いけこ | 2008.04.28 09:37

おはようございます、けんこう様

京都もすっかりと葉桜です。
ですが、この時期、紅葉の若葉や欅の若葉など、若緑が柔らかく、私もこの季節が大好きですわ~。

kame様によると、近くにはおいしいおまんじゅうや造り酒屋さんもあるそうでして。うふふ。
うどんもめっちゃおいしかったです。
温泉も有りますし~。
グルメ+観光+温泉で、また香川に行きたいです~。

投稿: いけこ | 2008.04.28 09:40

まだ、独身時代に金毘羅さん行きました。
でも、遠~い記憶なので琴電に乗ったことと赤い団扇を買ったぐらいしか記憶が無いのですヾ(^^;)

その後、キャンプに出かけた際はミク連れでおまけに歩くの嫌いな家族と一緒だったので
通り過ぎ。。。

人についていっただけの旅行はダメですね。
一度ゆっくり参拝できたらと思ってます。

投稿: Milk | 2008.04.28 11:23

おはようございます、Milk様

琴電も気になったのですが、今回は途中、岡山へ寄らねばならず、車で出掛けました。
ミクちゃんもご一緒だったのですね。
キャンプですか~、良いですねぇ。
金刀比羅さんは拝殿など本当に趣深いです。
上まで行きますと、景色も素晴らしいです。
そうそう、麓には温泉もありますよ。
きっとMilk様、お好きと思います。

投稿: いけこ | 2008.04.30 10:07

おはようございます
いけこさんの表現力にはいつもながら感服させられます
熱い眼差しで凝視されているお姿が目に浮かぶようです
帰られて直ぐアップされていたら無理してでも見てたかも
20日は雪だし、次週は出張でしたが・・・
私が伺ったのも夕刻だったのですがなにしろ125年ぶりと遷座祭
ということで昼間の大混雑が緩和された程度でゆくりとは
次回公開は何時のことやら・・・

投稿: kame | 2008.05.01 05:23

おはようございます、kame様

あわわ、またまたごめんなさい!!
アップが遅かったせいで、kame様の拝観チャンスを逃してしまいましたね。すいません。
丁度、遷座祭だったのですね。
恐らくものすごい混雑だったことでしょう。
まだまだ、何とか三重での公開がございます。
お伊勢さんと併せては如何でしょうか?

若冲も応挙も岸岱も、まるで舐めるように凝視してきました(照)。
今は図録とにらめっこです(笑)。

投稿: いけこ | 2008.05.01 09:51

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84623/40989779

この記事へのトラックバック一覧です: 香川旅行 その3 金刀比羅宮 書院参拝:

« 大阪造幣局通り抜け その2 | トップページ | 京都桜便り2008 終宴 »