京都国立近代美術館「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」
私が、若冲と出会ったのは、大学1回生である。私の通っていた大学が、京都国立博物館のすぐ近くだったので、授業の合間の空き時間にふらりとのぞいてみた。常設展にあった「群鶏図障壁画」が初めての出会いである。その当時、若冲という画家を知らず、タッチから南画の人なんだろうと勝手に解釈していた。ただ、鶏の羽根が精緻に描かれており、恐らくそれが印象に残っていたのだと思う。
それから2年後の大学3回生の時、京都国立博物館が常設展のみ夜間拝観を始め、最近は特別展や企画展しか行っていないなぁと思い、夜間拝観は割引だったので学校帰りに立ち寄った。そこで、今度は全く雰囲気の違う「雪中雄鶏図」で衝撃をうけた。鮮やかな色彩の鶏に、あれっ、この画家って南画の人ではないの?琳派?狩野派だっけ?と吃驚して、画集やらを調べていくうちに、「菜蟲譜」・「動植綵絵」のような濃密に配された画風、若冲独特の美しい色彩と綿密な描写に心惹かれるようになった。
また、「雪中雄鶏図」を見た際に、所蔵が“細見美術館蔵”とあり、これも新しい出会いであった。近くに居た学芸員の方に尋ねると、どうやら一年ほど前に出来た新しい美術館で、岡崎にあるとのこと。場所を教えて貰い、そこでは「鶏図押絵貼屏風」を見た。略筆ながら鶏の羽根の質感、構図の面白さに益々若冲が好きになった。
同時に、細見美術館の佇まい、展示企画の面白さや収集物の幅広さ、「数寄」の心にハマってしまい、以来、定期的に通う私のお気に入りの美術館になっている。
さて、今回の「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」であるが、前期展示最終日の昨日、出掛けてきた。
「紫陽花双鶏図」の鶏の羽根、紫陽花の枝振りやら濃密な極彩色に溜息をつき、「鳥獣花木図屏風」のケレン見たっぷりな「桝目描」の鳥獣・珍獣たちに圧倒され、略筆でつるりと抽象化で描かれた「鶴図屏風」に一息ついて、他の江戸期の画家(円山・基一・泡一など)も沢山あり、堪能してしまった。後期展示で一部変わるので、会期中にはもう一度行こうと思っている。
参考
伊藤若冲
正徳6年(1716年)、京都・錦小路の青物問屋「枡源」の跡取り息子として生まれる。40歳の宝暦5年(1755年)には、家督をすぐ下の弟に譲って隠居。85歳没。
細見美術館
平成10年春にオープン。財団法人細見美術財団の運営により、細見家が代々コレクションしてきた日本美術の作品の数々を公開している。
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コメント
市立美術館のルーブル美術館展も素敵だそうです。
芸術の秋にどっぷりはまりたいですね。
私にとっては美術館行って、おいしいtea timeしてくるのが、楽しみのひとつです。
花と団子☆
和紙の人形で歌舞伎の数々の舞台を表現した人形展が近所でありました。
純粋に紙だけなのに迫力あり、重ねの襟元も布の着物のよう。
舞台前日の裏方、俳優たちの準備裏、上演当日の芝居小屋の再現もあり
数々の人形がとても楽しかったです。
投稿: きくみ | 2006.10.16 23:59
おはようございます、きくみ様
そうなの~!!若冲とルーブルで迷ったんです~。
丁度、当方へよく来て下さるShino様の記事を読んで、メチャ迷いました。
でも、前期展示終了だったので、こちらへ。
私は先に市で腹ごしらえしてからです。うふふ、同じだ。
和紙の人形歌舞伎展ですか、いいですねぇ。
やはり伝統芸能を表すのは、日本の伝統和紙ででしょうか。
投稿: いけこ | 2006.10.17 09:55
いけこ様、こんにちは!
今日もいいお天気ですねぇ、あ〜、どっか行きたい。
ルーブルと若沖。迷いますよね〜。
私は、それに「兵馬俑」と「エジプト」も。
今のところ、鼻の差で若沖かなぁ。
国立博物館、大好きなんですよ。お庭が広くて。
子どもの頃からピクニック気分でよく行ってました。
常設展だけだと100円くらいで入れたんじゃなかったかな?
市立美術館も雰囲気のある建物で好きですねぇ。味わい深くて。
伊勢丹の「えき」は天井が低くて、今ひとつ雰囲気に浸りきれません。
同じくまだ新しいけど、細見美術館は大好きです。
と言っても展示を見たことはなくて、
カフェとかショップの方ばかりなんですけど。
興味を引かれるものはあるんですが、何か予定があわない。
前回展示のリクエスト展(やったかな?)、見たかったんですけど。
いけこ様のイチオシとあれば、一度行くべきですね☆
それにしても、手づくり市の後、博物館とはステキなおさんぽコースです♪
投稿: @くみ | 2006.10.17 16:45
いけこさま、こんばんわ。
若冲展、私も見に行きたいなぁ。
と言っても、にわか若冲ファンなんですけど。なんと夫が読んでたマンガ雑誌の表紙が若冲風だったのです。(笑)
東京に住んでたときに、もっと芸術の秋しておけばよかったなーと今さら後悔。とりあえず故宮にでも行こうかなー。
投稿: けんこう | 2006.10.18 01:35
こんにちは、@くみ様
本当に毎日いいお天気ですね~。
御所の芝生でごろんとしたら、気持ちいいでしょうねぇ。
ルーブルと迷ってしまって・・・。
こちらも会期中にはいかねばなりません。
私も、兵馬俑とエジプトも迷ったんですよ~。
吉村先生の研究成果ですしね。
(「世界不思議発見」はかかさず見ています笑)
国立博物館は大学が近かったので、もう何度も行ってました。
回数券を買おうか悩んだくらいです。
お庭もいいですもんね。
美術館・博物館は雰囲気も醍醐味ですもの。
仰るとおり、伊勢丹「えき」はちょっと。
細見美術館はオススメですよ。
展示数はさほど多くないのですが、頻繁に展示物が変わるので、何時行っても眼福です。
是非、いらしてみてくださいまし。
うふふ、芸術の秋のお散歩コースでした。
投稿: いけこ | 2006.10.18 13:05
こんにちは、けんこう様
若冲は、つい近年没後200年だったようで、どの美術館・博物館もお蔵出しして下さって。
なかなか拝めない作品も見ることが出来、有り難かったです。
若冲展では、美術館の一階に自然光を取り入れて、掛け軸(泡一)を見られる展示になってまして。
障子越しの光に見る掛け軸の表情が、とても素敵でした。
きっと、これが一番正しい鑑賞の仕方なんでしょうね。
マンガ雑誌の表紙が若冲!?どんなマンガなんでしょう?
東京は一度、上野の森へ行ってみたいです。
故宮もやっと改装終了しましたし、私もまた行ってみたいです。
投稿: いけこ | 2006.10.18 13:17
いけこさん、こんばんは~(^-^)
「沖若と江戸絵画展」行って来られたんですね☆
しかも展示最終日だったのですね。
ルーブルはまだ日がありますし、これから機会がありますよね。
秋晴れの日に和服で美術館、素敵です♪
そういえば「えき」は・・・天井低いですね(・_・;
少し前「アルフォンス・ミシャ展」に行って来たんですが
物販コーナーに人が多かったせいか出口付近も
ちょっとゴチャゴチャしてたかも・・・
投稿: shino | 2006.10.19 19:10
おはようございます、Shino様
若冲展、よかったですよ~。
ルーブルも会期中には是非行ってみたいところ。
若冲展は先日、前期展示が終わったんです。
後期展示は11月5日までですので、まだまだ機会がございますよ。
やはり、「えき」の天井は皆さん感じておられることは一緒のようですね。
まあ、百貨店の画廊ですし、仕方がないのかもしれませんが・・・、もうちょっと、ねぇ(笑)。
投稿: いけこ | 2006.10.20 09:26
いけこ様
はじめまして。
こちらのTBにコメントとTBをいただきありがとうございます。
「若冲展」、「琳派展Ⅸ」と「兵馬俑展」と展覧てんこ盛りツアーをしてきました。さすがにルーブル展までは行けなかったんですけど、どれもこれもよっかたです。
やっぱり若冲の『鳥獣花木図屏風』はやっぱりインパクトがありましたね。満足満足の一日でした。
投稿: 猫埜 | 2006.10.22 00:49
おはようございます、猫埜様
初めまして、この度はコメント有難う存じます。
わぁ、素晴らしいですね。
「若冲展」、「琳派展Ⅸ」と「兵馬俑展」と展覧てんこ盛りツアーとは!!
贅沢な1日だったのではないでしょうか。
「兵馬俑展」は行く予定ではおりますが、他にも「エジプト展」など、行きたいところが満載でございます。
身体が2つほしいくらいです。
若冲の『鳥獣花木図屏風』はやはり、この展示のメインを張るものかと。
仰るとおり、インパクトがありますものね。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
投稿: いけこ | 2006.10.24 09:37